将来パン屋さんをやりたい人へ ー⑤

◇将来パン屋さんをやりたい人へ ー⑤

*開業へ向けて

最初の就職先で2~3年ほどするとパン作りの基礎をある程度習得することができます。
もしその会社が分業制だったりすると仕込みをさせてもらえなかったり、焼き方をさせてもらえなかったりする場合もあります。
そういった場合はその担当者をよく観察しましょう。どうやっているのか?知りたいことは聞き出すしかありません。持ち場が年数で移動するような会社もあります。社員が多いと、なかなかいろいろな作業を経験することは難しいかもしれません。そんな時はどこかで見切りをつけなければなりません。
待遇が良い場合などは腰を据えることも選択肢の一つですが
できれば最初に就職したお店のほかにもう1軒勤めたいものものです。
お店が変わることでまた違ったことが学べます。生産体制から配合の違いまで、この経験はとても貴重です。

適齢期ですので途中で結婚をするようになるかもしれませんが、もし開店したいのであれば、相手の人も理解を示すような方が望ましいでしょう。
自分の夢を語り、協力をお願いしなければなりません。最初は夫婦の2人3脚が理想です。

*開業の準備

就職での準備期間を終え、開店したいという気になったなら綿密な計画を立てなければなりません。
資金の調達、材料の仕入れ先、開店場所、商品構成、店舗用の備品揃え、機械類をどうするか、道具類等々、頭の痛い話ですがわくわくするときでもあるのです。

場所を選ぶ場合ですが最も多いのが自分の故郷です。
つまり実家を改装してパン屋をはじめるパターンです。
これですと家賃がかからないので有利な方法です。ただ交通の便利、不便利というのはついて回り、極端に不便な場所であっては考えさせられます。交通量が激しいところでは駐車場の確保が必須条件になってきます。

貸店舗を借りる場合は問題がたくさんあります。
・家賃 契約条件。人口密度、周りの環境などがそれです。
よく言われることに 家賃を3日でペイできるかどうか?
つまり月10万の家賃でしたら1日の売り上げが33000円なければならないというものです。

逆に言えば1日33000円だと26日営業で月858000円の売り上げでそこから家賃の100000円が引かれ残りは758000円ということです。
そこからさらに電気、水道、ガス代が惹かれます。中でも大きいのが電気代です。
日本の電気代はアメリカのおよそ倍です。
単純に3つで5万円とすると差引残は708000円になります。
材料費はというと仮に売り上げの30パーセントとみれば257400円ですので、これを引くと約45万が残りです。もしパートを雇うとしたらさらに減って35万ということになります。
もちろんこれは机上の計算で実際とは違うものです。ですが多い方に違うのか逆に少ないのか、いずれにしても一つの目安にはなるでしょう。

※田舎の場合ですが店が順調に売り上げを伸ばすと大家さんは

家賃の値上げを要求してしてきたりします。
つまり、売れるのは店の場所が良いからだという理屈になるのです。
もし2年契約だったりすると、厄介なことです。

私の知っているかぎりでもセブンイレブンでありました。
セブンイレブンの経営者Aが契約なかばで経営を断念することになり本社が代わりの経営者Bを探してきて引き継がれました。お店は相変わらず盛って契約期間満了になり再契約の時が来ました。
地主は当然のように大幅な地代の値上げを要求してきたのです。
セブンイレブンなどの場合は契約期間が長いせいもあり前回の契約設定が安かったのかもしれません。Bはとてもその額は高すぎると撤退することになりました。
その後はしばらく空き地になっていて、地主にとってもちょっと欲張りすぎたのかなといった感があります。
都会ですと貸店舗ビジネスはしっかりしていてトラブルは少ないようですがいかんせん家賃が高すぎます。生産性がそれに見合って高くないと厳しいでしょう。

パン作りに自信が持て、開業資金や開業場所のめどが立ったなら次は開店方法と製品の種類や品数、値段の設定、設備什器の調達、材料や包装関連などの仕入れにと休んでいる暇はありません。

お金がいくらあっても足りないとはこのことでしょうか?。
すべて前払いですから、のんびりはしていられません。

商品の構成ですが、私の場合、食パンやサンドイッチをはじめとする調理パン、デニッシュ、クロワッサン、バターロール、ドーナツ類、フランスパンと多種多彩でした。
普通の菓子パン(あんパンやジャムパン)も作れますが主力はデニッシュとドーナツでした。あんパンやジャムパンはその当時どこでも売っていましたし、スーパーの主力製品でしたのでバッティングするのを避けたのです。当時、田舎ではデニッシュやクロワッサンを売るお店はまだどこにもなかったのです。

今の時代、あらゆるパンが流通し、製パン学校や調理師学校の宣伝によく使われるのがハード系のパンです。見栄えがして写真写りが良いからでしょうか・・?
学校を選んだりするときに目を引くのもハード系の大型パンの画像です。
ですが実際にはどうなのでしょうか・・?
ハード系のパンは主に主食です。主食用には消費の限界があります。
いくらパン食が普及したといっても毎日3食パンを食べる人などそうはいません。
ですから主力商品はおやつも兼ねるものがお勧めです。

*生産性
メーカーとして利益を出すには生産性の向上が不可欠です。
特にパン屋さんでは商品単価が低いので数を売らなければなりません。そのためには効率よく沢山のパンを焼かなければなりません。食事、睡眠、この2つの時間は省けませんので、どんなに働いても10H~12Hが限度です。

時間が限られると仕込みの問題が生じてきます。
あれも、これもと違った種類の生地を仕込むのは時間のロスが大きいのです。
それでは同じ生地を使い分けるか、といいますとそれでは味に偏りが生じます。
また、手分割しなければならないパンは最も時間を消費します。バターロールやアンパンなどは時間がかかるのです。
その点デニッシュやクロワッサン生地を使ったものはカッターで簡単に分割することができるので重宝です。
そうは言いましても店の目玉商品と呼べるものには時間がかかるのは仕方がありません。

お客さんが好む商品は何なのか?自分の店独自のものでそれを提供できれば看板商品になるでしょう。
材料ですが、オーップンしたてのお店には問屋さんも、なかなか材料を卸してくれません。
ネットでの購入は送料などの問題もあり高く仕入れることになります。
できれば休日に近くの問屋街に行き直接交渉して買い求める方法が良いでしょう。

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