苺の乗ったショートケーキがおいしいわけは
その素材のおいしさにあります。
スポンジケーキ、苺、生クリーム
この3っつのどれもがおいしくなければ、トータルとしてのショートケーキもおいしくはないのです。
例えばスポンジケーキですが、ショートケーキに合ったスポンジケーキというのがあります。
柔らかく、ふわふわしているのが良いかといいますとそうではありません。
スポンジに湿らせるシロップをしっかり受けてめてくれるだけの質感がスポンジケーキに求められるのです。
苺にしてもそうです。
苺は昔は路地で栽培していました。
それがクリスマスに合わせ、だんだん早い時期の出荷が要求されるようになり、
本来なら初夏の6月が旬であったのに今では温室栽培で初冬の11月からその姿を見かけます。
ところでこの苺ですが、見た目はみなきれいな赤い色で、どれがおいしいのか皆目わかりませんよね。
実は苺に限らず野菜類は同じ土壌で同じ種類のものを栽培し続けると味が薄れてきて、おいしくなくなってしまうのです。
自然界に生息する苺は生態系に守られ土壌が肥沃で味が落ちることはありませんが、化学肥料に任せて大量に栽培する今の状態では土壌がどんどん痩せていきおいしい苺ができなくなっていくのです。
そのために苺を栽培している農家は各県単位で新種の苺を栽培研究しています。
本来なら九州地方で栽培していた苺を関東で、逆に関東で作っていたものは九州地方で新たに栽培すればうまくいくはずなのですが、特許製品として壁があり流通がうまくいっていないようです。
また各県のプライドもあるようですが・・。
そこでおいしい苺は、やはり生産者を選び購入するしかありません。
同じように生クリームですが、メーカーによって特徴があります。
昔(1960年代)はAがおいしくBは白いだけでおいしくないといったことがありました。
今でも多少の差はあるようですが、材料の牛乳自体がその飼料の変化に伴い味が変わってきています。
輸入飼料に頼るため、産地の特徴が薄れ、商品の差がなくなってきています。
それと乳脂肪が細分化され、以前ですと45%が主流で他では60%以上のものがあるくらいでした。
今は35,47%やそれ以上のものが販売され、用途によって使い分けられるようになっています。
ですから手でホイップする場合、生クリームの組み合わせを考える必要が出てきました。
手やハンドミキサーで立てるには少なくとも43%以上が必要です。
例えば47%の生クリームが112gでしたら35%は56g以下にしないと43%になりません。
35パーセントの中クリームはムース用の軽い食感が目的と思われます。
ただ、これ単体ではホイップマシーンでないと目的の硬度を得ることはできません。
生クリームと類似品の種類
パッケージの裏側を観ますと
その製品のことが書かれています。
ここで種類別のところを見てクリームと表示されているものが純粋な生クリームです。
そうでないものは
「・乳等を主原料とする」という文言が書いてあります。
やはりクリームでないホイップクリームの場合ですと味が落ちるのは否めません。
メーカーは商品を流通させる過程で各ポジションが利益を確保できるよう製造費を安くする必要が生じ、販売価格から逆算して材料を選びます。
どうしても安いホイップ商品が必要になるのです。
生クリームの立て方
必ず氷水をボールに入れ、そこに浸しながら手やハンドミキサーで立てます。
砂糖は生クリームの1割が良いでしょう。
他に高濃度の洋酒を少量入れます。
必ず使い切りましょう。