2023年初場所、新弟子・異色の23歳・飯間ルーカス一夫デビュー

サンスポより

2023年初場所での新弟子検査が終わり検査を受けた8人が全員合格しました。

中には全日本実業団選手権を優勝し、幕下15枚目付け出し資格を持つ落合もいて、粒ぞろいの感がある初場所デビュー組です。皆、合格基準を簡単にクリアーしたようで恵まれた体躯をしています。

異色の新人飯間ルーカス一夫

その中にあって異色中の異色ともいえる新人がいました。

名前も長く、飯間ルーカス一夫君です。どこで切ったらよいのか分かりません。

何処が異色化といいますと、たいていは小学校の時から相撲になじんで、中学、高校へと

進む過程で鍛えられ、自信をつけて納得の上で大相撲に入門するものです。

ところが、飯間ルーカス一夫君は全くの素人で経験がありません。

名古屋経大ラグビー部に在籍していたので体に関しては心配ないのですが、

大相撲はほかのスポーツと違いすぎるのです。入門すれば、掃除、洗濯、料理となんでも人のために働かなくてはなりません。

さらに先輩力士からの厳しいしつけが待っています。

あの髙安関が稽古がきつく、7回も逃げ出したのは有名な話です。

しかも、いくら働いても、強くなり関取と呼ばれるようにならない事には給料がもらえないのです。挙句に力士には怪我が付き物です。

そんな世界に興味があったというのですから驚きです。

「やりたいこともなかったし、ラグビーもうまくはない。卒業したら兄のいるフランスで働こうと思っていました」

安治川親方(元関脇安美錦)から誘いがあったのを、これ幸いと入門してしまったのです。

そんな飯間ですから前相撲で勝てるわけがありません。

それでも大丈夫です。
ちゃんと出世披露をされました。;

前相撲の決まり

前相撲は新弟子の数が足りる場合、本場所ごとに行われます。

ただし一番人数が集中するであろう3月場所だけほかの場所とは決まりが違います。

3月場所は期限が3回あり、三番出世まであります。

3月場所では2回勝ち抜けで、先に2勝したものから抜け一番出世とされます。

次に2勝したものを二番出世、次が三番出世となります。

一度も勝てなくても三番出世とされます。

1日に1回の取り組みが行われますが場合によっては2回取る人も出てきます。

初日となる本場所2日目~5日目までの4日間、連日取組が行われます。

 

3月場所だけは先に2勝抜けですが、それ以外の場所では先に3勝した者から抜けていきます。

そして、期限は1回の8日目です。ここまでに出世できれば全員「一番出世」となるのです。

一度も勝てなくても出世扱いになります。

この出世順位が次の場所の番付に表れ、
当然一番出世の者が上位にランクされるわけです。

2023年1月場所新序出世披露

下の写真のどれが飯間君なのか分かりませんね。
前列の一番右はジャミントクトホですね。

三段目取組の途中で、今場所前相撲を取った新弟子9人の新序出世披露が行われました。

Yahooニュースより

新弟子は8人のはずですが9人いますね?

この中には落合はいません。代わりに

11月場所で合格している、千葉・日体大柏高―拓大出のラグチャー・ジャミントクトホ(高砂部屋)、ツェンドスレン・トゥシグ(朝日山部屋)のモンゴル出身2人が興行ビザ取得後になったため、初場所に一緒に披露されています。

上の段左から桑原改め聖富士、斎藤瞬佑改め豪ノ湖(高校横綱)、宮地、小林
下の段左から斎藤改め若碇(甲山親方の長男)、長村、飯間、落合

 

1月10日初場所3日目 前相撲1日目結果
ジャミントクトホ改め朝白龍(押し出し)豊稀錦
長村(押し出し)小林
豪ノ湖(突き出し)宮地

 

小林を攻める長村
(Yahooニュースより)

 

 

 

1月11日初場所4日目 前相撲2日目結果
朝白龍(寄り切り)聖富士
長村(突き倒し)豪ノ湖
豊稀錦(上手出し投げ)飯間
小林(寄り切り)宮地
聖富士(押し出し)若碇

 

朝白龍が桑原改め聖富士を
寄り切る
(Yahooニュースより)

 

 

 

 

1月12日初場所5日目 前相撲3日目結果
朝白龍(押し出し)飯間 3勝全勝
長村(押し出し)飯間 3勝全勝
聖富士(押し出し)宮地
豪ノ湖(引き落とし)豊稀錦
若碇(寄り倒し)小林

1月13日初場所6日目 前相撲4日目結果
若碇(寄り倒し)豪ノ湖
小林(押し倒し)豊稀錦
飯間(寄り切り)宮地
豪ノ湖(引き落とし)小林 3勝1敗

飯間ルーカス一夫君もやっと一つ勝てました。
相手の宮地君も相撲未経験だったのです。

大相撲年齢制限

飯間ルーカス一夫君は。新弟子検査を受検しようと決断した2022年8月にはすでに23歳になっていました。23歳未満という年齢制限に引っかかるのです。
緩和措置を受けるには、相撲を経験する必要がありました。

夢を追う飯間のためラグビー部の村瀬賢治部長や大学関係者が
協力してくれ、相撲サークルを立ち上げてくれました。
ラグビー部との兼部で相撲キャリアを積んだのです。それで受検資格を得ることができたのです。

日本相撲協会は29日の理事会で新弟子検査に関する規定を変更し、年齢制限を緩和する基準を設けた。

中学卒業以上で、23歳を超えて、なおかつ幕下、三段目の各付け出し資格の基準を満たさなかった者でも、相撲を含む各競技で実績があると理事会が承認した場合は、25歳未満(新弟子検査日)まで新弟子検査を受検できることになった。師匠の責任で「各競技実績証明書」を提出し、理事会が受験資格を判断する。

 

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