大相撲に入門すると必ず行かなければならない学校があります。
それが日本相撲協会が運営している相撲教習所です。
新弟子はここで相撲のいろはから学びます。
すでに学生時代に相撲部での経験があっても必ずここの門をたたきます。
新弟子の中には日本語が話せないものや相撲をろくに取ったこともない者たちもいます。
そのために初歩の初歩から教えるのです。
場所は両国国技館の敷地内にあります。教師は実技が教習所担当の年寄や現役の古参力士があたり、座学と言われる講義学習は大学の教員や有識者によって行われます。
内容は実技が相撲の基本動作である四股、鉄砲、股割り、すり足等で講義のほうは
相撲の歴史・一般常識・国語(書道・作文)・相撲甚句・運動医学・スポーツ生理学等の教養と幅広く教えられます。
左は遠藤が習字を習っているところです。
右は今大関の豊昇龍の習字です。
期間は半年ですが
本場所のある月は免除されるので実質3か月でしょうか。
ただ日本語のわからない外国人力士や
出席日数の足りないものはその限りではありません。
力士はどうやって教習所に通うのでしょうか?
二所ノ関部屋のように離れている部屋からは早い時間に起きて電車で通学しなければなりません。
先日、相撲教習所を卒業した幕内の大の里などは茨城県の二所ノ関部屋から電車に乗って1時間20分もかけて通っていました。
大の里は着物に雪駄で教習所まで通っていました。
三段目から雪駄を履けますが、大の里ははじめから畳表の雪駄です。
ちなみに序の口と序二段は素足に下駄ばきで教習所に通います。
足袋ですがこれも幕下にならないと履けないそうです。
三段目以下は素足なんです。
着衣はもちろん着物です。
ですから、これで電車に乗って通うので目立ちますよね。
大の里は人気があるので大変だったでしょう。
教習所の一日は
朝7:00から実技が始まり、そのあとに講義を聞きます。
終わると風呂に入りそして食事です。
教習所の食事はおいしく、食べ放題みたいです。
左図は逸ノ城です。
教習所に通っていた時のものですね。
うれしそうに笑っています。
今はひょんなことから引退してしまいましたが・・。
教習所が終わると、そのあとがまた大変です。今度は急いで自分の所属部屋に帰らなければなりません。
部屋での仕事が山のように待っていますから。
下は実際の教習所を相撲協会が紹介しているものです。
この相撲教習所ですが歴代の所長にはあの大鵬(第48代横綱)の名前もあります。
過去の横綱が結構名を連ねているんですね。
大体みな2年くらいでバトンタッチをしますが4年の所長もいました。
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